アナサジフルートの吹き方、装飾音 4
北米先住民族の遺産。1400年前の古代の音色が現代によみがえる。
アナサジフルートの音を口の中に逆流させて鯨の鳴き声のような音を出します。
アナサジフルートの鯨音
鯨が歌うことを知っていますか。大海に響くような低い声から、あの巨体から想像できない高い声まで使って悠々と歌います。そんなイメージの音です。
(私は修行中なのできれいに鳴らせませんが…)
» アナサジフルートの鯨音
原理
すべての音は倍音を含んでいます。アナサジフルートでドの音を吹いているとき、一緒にレ、ミ、ソ、…の音もかすかに鳴っています。これが倍音です。鯨音は、アナサジフルートの音を口の中に逆流させ特定の倍音を増幅して鳴らします。モンゴルのホーミーとか口琴とかご存じでしたら、それらと同類です。 » 倍音について
口笛を吹けばいい
おそらく気がついていると思いますが。アナサジフルートを吹いているときにチュルチュルとノイズのような高い音がまざって聞こえるでしょう。あれをわざと大きく鳴らすと鯨音になります。
やり方は、口笛を吹ける人なら指穴をぜんぶふさいで、いちばん低い音を鳴らしながら口笛を吹けばいい。いや本当に口笛を吹いてはダメで、この手加減が微妙です。
鯨音は口笛の音なのか?違います、別物です。
- 鯨音はアナサジフルートを口から外すと聞こえなくなります。口笛なら関係なく鳴り続けるでしょう。
- 鯨音はドーソードーミーのように特定の音程しか鳴らせません。これはアナサジフルートの音に含まれている倍音を増幅して鳴らしているからです。倍音にない音は鳴らせません。口笛ならどんな音程でも鳴らせるはずです。
口笛を吹けない人は…
- 舌先を下の歯の裏側に付けます
- 舌と上の歯茎の間に、小さなブドウ玉をはさんだくらいの空間をあけます
- アナサジフルートを吹きながら、音が口の中に逆流しやすいように、唇をいつもよりほんの少しだけ開きます
- あとは口の中をもぐもぐ動かして、倍音が鳴る位置を探してください
ステージ向きの一発芸
鯨音はそのまま聴いてもあんまりぱっとしません。マイクで拾ってエコーをかけると強烈な音になります。だからステージ向きの技です。
注意 !!
慣れないうちに鯨音を練習するとふつうに音を出すのが下手になります。私は下手になりました。自己責任で練習してください。特殊効果的な使い方しかできませんから、できなくてもなにも困りません。