アナサジフルートの吹き方、装飾音 3
北米先住民族の遺産。1400年前の古代の音色が現代によみがえる。
アナサジフルートの装飾音には、今まで説明したのと逆のやり方があります。
閉じて、開ける
今まで説明してきた装飾音は、指穴を一瞬「開けて」→「閉じて」いました。それとは逆に「閉じて」→「開ける」やり方があります。今鳴っている音…の一つ下の指穴を一瞬叩きます。
» 一つ下の指穴を「閉じて開ける」
日本の笛のマネかも?
この装飾音はアナサジフルートの先駆者コヨーテ・オールドマンさんが多用しますが、他の人の演奏では聴いた記憶がありません。因みにふつうのインディアンフルートでもこの装飾音は使いません。
私の推測なのですが。
アナサジフルートは1400年前に失われた笛です。これをコヨーテ・オールドマンさんが復元したわけですが、それでどんな演奏をしていたかなんてまったく分かりません。そこでオールドマンさんは何かの笛を参考にしてアナサジフルートの演奏スタイルを立てました。その参考にした笛というのが…どうやら尺八らしい。
(彼のウェブサイトで「演奏テクニックは尺八に近い」と説明しています。)
そして日本の笛は、この「閉じて開ける」方式の装飾音も使います。
コヨーテ・オールドマンさんは尺八の演奏スタイルを取りいれたときに、一緒にこの装飾音も取りいれたのではないかと、私は推測します。
使いどころがなんとも
とにかくコヨーテ・オールドマンさんしか使わないので、どう使えばいいという説明がむつかしいです。うーん、メロディーが上がって下がって…その上がりきったところで使うケースが多い気がします。
ふつうのインディアンフルートの吹き方で説明しましたが、このメロディーの上がりきったところに装飾音を入れるとものすごく目立ちます。「閉じて開ける」方式の装飾音ならそれほど目立つことなく使うことができます。
» メロディーの上がりきったところに装飾音