-- 鳴らし方と運指 --

鳴らし方

インディアンフルートを鳴らすのは簡単です。唇を軽くとじて、そしてフルートの吹口を唇にピタっとあてます。吹口と唇のすき間から空気がもれないことを確認したら、ふうーっと吹けば鳴ります。これだけ。
後は指穴をふさいでいけば音階になります。

  1. 最初は指穴を全部あけて吹いてみてください。
  2. 鳴るのを確認したら、上から一つずつ指穴をふさいでいきます。
  3. 途中で甲高いヘンな音がしたら、ぴったりふさがっていない指穴があります。
    指穴を全部あけて最初からやってみてください。

指穴を全部あけたときの音がラです。
一つずつ指穴をふさいでいくにつれ、ラソミレドラ、と音が下がっていきます。
» 上からラソミレドラ

あるいは息が強すぎるのかもしれません。低い音ほどそっと吹かないとヘンな音になります。熱いお茶をほーっと吹きさますような感じでしょうか。

低い音ほどそっと吹くべし

インディアンフルートにかぎらずどんな笛でも、低い音ほどそっと吹かないと裏返ってキーキー鳴ります。低い音が出ない場合の原因はほとんど決まっています。

  • どこかの指穴にすき間がある。ぜんぶの指穴をきちんとふさいでいない。
  • 息が強すぎる。特にインディアンフルートは音が小さいので、他の笛に比べてそっと吹かないといけません。

ところが「どうしても裏返るんですけど…」という相談があって、いろいろ調べてみるとどうも、タンギングが原因らしい。

どうしてもだめならタンギングをやめてみる

笛を吹くときに「トゥー、トゥー、トトト」と舌先で勢いをつけて吹くことを西洋の音楽用語で「タンギング」と言います。タンギングすると一つひとつの音がカッチリします。西洋のリコーダーやコンサートフルートではタンギングは習得必須です。

ところがインディアンフルート(の特に低音管)でタンギングすると、音が裏返ることがわかりました。ってもすすすっとやさしくタンギングすれば問題ないのですが。ターンとするどくタンギングすると強すぎて音が裏返ります。

インディアンフルートではタンギングは習得必須ではありません。
西洋の笛のようにカッチリした音が好きなら練習するし、そうでなければ気にしなくてもいいでしょう。

運指(伝統的な音階)

インディアンフルートの音階は下から"ラドレミソラ"です。それより高いオクターブの音は、確実に出るのは高いドの音までです。それより高い音を出せるフルートをたまに聴きますが、特注したのか自作したのか…めったな幸運では手に入らないでしょう。

運指表

○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ、白黒半分…指穴を半分あける
※ 高いドの運指はフルートによっていくつかのパターンがあります。

» 下からラドレミソラ+ド

指穴を半分だけあけるには

  • 1番上の指穴は、左人差指を爪を立てるように曲げて少しだけすき間をあけます。
  • 下から2番目の指穴は、右手中指をひねるようにして少しだけすき間をあけます。

6穴フルートの運指(伝統的な音階)

まず、
インディアンフルートの伝統的な音階を吹くなら、5穴フルートのほうがぜったいに簡単です。お手持ちのフルートが6穴なら上から3番目の指穴をストラップでしばってください。これで5穴フルートとして使えます。

○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ、白黒半分…指穴を半分ふさぐ
5h-trd-080506.gif

意地でも6穴のまま伝統的な音階を吹くのであれば、上から3番目の指穴をストラップの代わりに指でふさいで吹けばいいです。

○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ、白黒半分…指穴を半分ふさぐ
6h-trd-080506.gif

6穴フルートの運指(ドレミファソラシド)

ドレミファソラシドを吹く場合は6つの指穴をぜんぶ使います。ストラップで上から3番目の指穴をしばっている場合は、外してください。

○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ、白黒半分…指穴を半分ふさぐ

アメイジング・グレイスの音階

インディアンフルートのいちばん下の音はラです。ですが、運指次第ではほかの音からはじめることもできます。アメイジング・グレイスのいちばん下の音はソですが、6穴のフルートなら吹くことができます。

1. ソドーミレドミー レドー(ラー)ソー
2. ソドーミレドミー レーミソー
3. ミソーミレドミー レドー(ラー)ソー
4. ソドーミレドミー レードー
» アメイジンググレイスを吹いてみた

アメイジング・グレイスは本当はラの音も使います。この場合いちばん下の指穴を半分だけあけるとラの音が出ますが、不安定でむつかしいです。カルロス・ナカイはラの音を省いて吹きますので、まねして吹いてみました。この潔いアレンジはかえってインディアンフルートらしいと私は思います。