-- 古代アナサジフルート --

アナサジフルートの吹き方、音を出す1

北米先住民族の遺産。1400年前の古代の音色が現代によみがえる。
アナサジフルートは音を出すのに一苦労です。音を出すために知るべきことはそれほど多くありませんが、自分で実際にできるようになるには長い練習が必要でしょう。

各部名称

便宜的に名前をつけておきます。

  • 歌口
  • 開口
  • 指穴

なぜ音が出るのか

アナサジフルートの吹き方は尺八と同じです。というか北米の演奏者―コヨーテ・オールドマンやスコット・オーガスト―がアナサジフルートを吹くにあたって日本の尺八を参考にしている節があります。尺八を吹く姿ならTVで見たことあるでしょう。管を顎にあてて歌口に息を吹きかけて鳴らします。

息は、実はほとんど管の中に入りません。歌口の上をすべっていく感じです。息が歌口の上をすべっていくとき、歌口のエッジにひっかかり、薄く削げて空気の渦を巻きます。巻いた渦がノイズを発生し、管に共鳴して音になります。

唇の形

  1. まず無表情をします。自動車免許証の写真のような顔です。唇は閉じています。
  2. 唇を閉じたまま、上下の前歯の間に少しだけ隙間をあけます。
  3. そのまま息をゆっくり吐いてみてください。唇を閉じているので息が唇の手前に溜まってきます。
  4. 更に息を吐いてください。溜まった息に押されて上下の唇が前歯から浮きあがります。
  5. 更に息を吹くと、ついに唇の間から息がぷしゅーっと漏れてきます。

これが尺八の自然で理想的な唇の形なんだそうです。私はまだまだ力が入ったり、唇の端を引きしぼったりしてしまいます。最初は鳴らせるようになることが最優先課題なので、力が入ったり引きしぼったりしてもいいと思います。でもいつかは美しい音色で演奏できるように、頭の片隅にいれておいてください。

笛を唇にそえて、吹く

最初は運指を気にしないでください。指穴はぜんぶあけたままです。

  1. 歌口を唇の先ではさむように、笛を顎に当てます。
  2. その状態から先の要領で息を吐きます。いきなり音が出るかもしれませんが、そこはよいポイントではありません。
  3. 笛をほんの少しずつ下に傾けていきます。唇と歌口の間に少しずつ隙間があいていきます。
  4. どこかで笛が鳴ります。場合によっては顎に当てている笛の位置をずらしたり、顎を前後させて息の方向を調節する必要があるかもしれません。
  5. 鳴ったらもっとはっきりきれいに鳴るように試行錯誤します。

» アナサジフルートが鳴る息の方向を探す

吹けば鳴るように

笛を唇に当てて、吹けば鳴る。こうなって初めてアナサジフルートを鳴らせるようになったといえます。ここまで早くて数日コースで、この後、運指を覚えて音階を吹けるようになるのに数ヶ月。人に聴かせられる演奏ができるようになるには…。

難しいからこそ

なぐさめになる話を一つすると、あなたが大変だということは他の人も大変だということです。あなたがアナサジフルートを思いのまま吹けるようになったとき、他の人はちょっとやそっとではマネできません。

想像してみてください。あなたが小さな音楽会を開いてアナサジフルートを披露したとします。お客さんの一人が「すごい感動しました、ちょっと吹いてみていいですか。」とやってきて、へろへろっとあなたよりずっと素晴らしい演奏をする…まったくの初心者がですよ。あなたの面目は丸つぶれでしょう。

困難だからこそ上手になって、アナサジフルート教室を開いてお金を儲けてやろう、生徒さん相手に大きな顔をしてやろうと野心を持ってください。そしてそれは実際に可能です。

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