-- 切れ目なく吹く --

口の中の空気を押しだしている間に鼻から吸う

口から息を吐きながら鼻から吸うというのは、種明かしすればたいしたことではありません。子どものころプールや風呂場で口いっぱいに水を含んで、水鉄砲のようにぴゅーっと吹きだしたことがあるでしょう。(今考えると汚いな。)あれがもし水ではなくて空気で、しかも笛をくわえていたらどうでしょうか。一瞬「ぴょ」と鳴るはずです。その瞬間に鼻から息を吸いこみます。

循環呼吸のようすをゆっくり説明すると次のようになります。

  1. 笛をふつうにふーっと吹いている状態からはじめます。
  2. 前準備として、笛をふーっと吹きながら口の中を広げて空気をためていきます。
  3. 循環呼吸を開始します。まず口の中にためた空気を押しだしはじめます。
  4. 直後に息を吐くのをやめます。やめても口の中の空気を押しだしているので、笛は鳴りつづけます。
  5. 鼻からいそいで息を吸います。口の中の空気を押しだしているので笛は鳴っていますが…空気は残りわずか。
  6. 吸いこんだばかりの息を口から吐きだしはじめます。間一髪でつながりました。笛は鳴りつづけたままでした。

理屈ではたしかに途切れることなく笛を吹けそうですね。そして実際に途切れることなく笛を吹くことができます。循環呼吸というのは結局これだけのことで、あとは教えることも教わることもそんなにありません。この呼吸法の難しさは「今までやったことのない不自然な呼吸を身につける」という単純明快なところにあります。

これはもう自分の身体に覚えこませるしかない。自分が練習するしかないという話です。

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