-- 切れ目なく吹く --

インディアンフルートは循環呼吸しやすい笛

もちろんインディアンフルートは循環呼吸する楽器ではありません。一曲の中で何回息つぎしてもいいし、音が途切れても問題ありません。インディアンフルートで循環呼吸する意義は、演奏をゆったりと余裕あるように聞きかせることにあります。

プロの演奏は総じて一息が長いと書きました。そんな曲をアマチュアがマネして演奏するところを想像してみてください。自分もプロのようにと長いフレーズを息継ぎなしに吹こうとする。終わりのほうは肺に残ったわずかな息をしぼるために必死。いかにも苦しそうな表情。のばす音はぷるぷると今にも消えそう……間一髪なんとか吹ききった、やったあっ!!プッ、ハアーッと水面から顔を出したみたいに盛大な息つぎ――これでは興ざめです、いかにも素人っぽいでしょう。

息苦しそうに笛を吹くと素人っぽく見えます。プロはすまして余裕しゃくしゃくのように演奏します。これはきちんと肺と腹筋を鍛えているからできるんですが、そして笛を吹く者としてはきちんと肺と腹筋を鍛えるのがスジなんですが。

循環呼吸ができれば素人でもある程度ごまかせます。
笛の中でもインディアンフルートは循環呼吸しやすい笛です。音の高さが安定している、バックプレッシャーが強いなど、理由はいくつかあります。梅雨時期はバックプレッシャーが特に強くなるので循環呼吸を練習するのにもってこいの季節です。べつに必須ではないけれど、他の笛よりも簡単にマスターできるんだからせっかくだからマスターしたら、という話です。

丸々一曲を循環呼吸で吹く必要はありません。長いフレーズの終わりのあと数秒っ、というところでほんの少し、呼吸をごまかせればいいんです。

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