伝説と歴史
インディアンフルートの起源がいつなのかは、はっきりと言えません。
伝説ではインディアンフルートは、好きな娘に結婚を言いだせない内気なインディアンの若者のために、キツツキがプレゼントしたことになっています。若者がフルートを吹くとそれを聞いた森中の獣や鳥たちが集まり、最後に美しい娘がやってきて彼のそばに座ったのでした。
―これが、インディアンフルートがラヴフルートと呼ばれる由縁です―
文化人類学的には、中央アメリカのマヤ、アステカから伝わった竹笛が起源ではないかと憶されています。
インディアンフルートによるプロポーズは広く行われていたようです。
カイオワ族の若者は夜、意中の娘の眠っているテントのそばでフルートを吹きました。娘が起きてきて「笛の音が聞こえたので」と言ってくれたらおめでとう、一晩中知らないふりをされたら脈なしという決め事でした。
インディアンフルートの歴史はインディアンの迫害の歴史そのものです。
一時期は絶滅寸前になりましたが、1970年代にインディアンの有志たちが村々をまわり、長老たちから古い歌やフルートの曲を学んで世に広めていきました。1980年代中頃からインディアンの文化や生き方が見直されるにつれ、インディアンフルートもまた脚光を浴びるようになりました。
今日では世界中の人々から愛されています。