インディアンフルート・ミュージックの分類
インディアンフルート・ミュージックにはいろんな雰囲気の曲があります。それらを大まかに分類してみました。
伝統的か西洋風か
インディアンフルートの伝統的な吹き方は、装飾音やビブラートを多用するアクの強い吹き方です。動物や鳥の鳴き声を真似したり、その場のフィーリングで即興演奏することもあります。メロディーがあっても西洋のコード進行に従わない耳なれないメロディーだったりします。
西洋風の吹き方というのは、西洋の笛―リコーダーやコンサートフルート―の影響を受けた吹き方です。装飾音やビブラートがひかえめで、インディアンフルート本来の音色の美しさを大切にします。メロディーは聴きやすいポップだったりイージーリスニングだったりします。あまりに美しすぎて、ぱっと聴いてインディアンフルートだと分からないこともあります。
無表情か感情オーバーか
無表情な吹き方というのは、演奏者の感情が感じられない雰囲気の吹き方です。音の抑揚のない固い音色で、一本調子に聞こえます。逆にそれが超然とした雰囲気だったりします。
感情オーバーな吹き方というのは、演奏者が笛を吹きながら叫んだり泣いたりしているように聞こえます。音がわあっ大きくなったかと思うとしゅんとしぼんだり、過剰なほどビブラートや装飾音をかけたりします。
伝統的 vs 西洋風、無表情 vs 感情オーバー、という2つの軸でマトリクスを作ってみました。試しに私が持っているCDをマトリクスの上に配置すると次のようになります。
- ブライアン・アキパ
- 伝統的で感情オーバーの見本です。叫ぶような演奏に強烈な装飾音とビブラート。メロディーは難解で一回聴いただけでは何をやっているのかさえ分かりません
- ワーナー・ジョーン
- 西洋風な演奏の典型、感情表現はふつうでしょうか。リコーダーを思わせる気品ある音色と印象的なメロディー。ピアノで伴奏したりて、室内管弦楽みたいです。
- ファイヤークロウ
- どちからというと伝統的な演奏でしょうか。無表情な演奏です。固い音色とシャープな装飾音。超然としていてかっこいい。
- ネイティブ・フルート・アンサンブル
- どちらかというと西洋的な演奏でしょうか。無表情な演奏です。血の暖かさを感じさせない無機質な音色は不思議な伴奏と相まって、彼ら独特の持ち味になっています。
伝統的 vs 西洋風、無表情 vs 感情オーバー。
このほかにどんな捉え方があるでしょうか。「どの捉え方がいちばん正しい」ということではなくて、なんでもいいからなにか視点を持って聴くのが大切なのだと思ってます。
「この曲はなぜこんなにかっこいいんだろう、ひょっとしてこれが秘密っ?」と没頭して聴いて、ずいぶん勉強になりました。