人にもよりますが、インディアンフルートを構えるときは高く――ほとんど水平になるまで高く――構えます。なぜそんな構え方をするのかずっと疑問だったのですが。
「重くて滑るから。」
という答え?に最近たどり着きました。竹のフルートや現代の木のフルートは軽いのでピンとこないでしょうが。
昔、インディアンは石器でフルートをつくっていました。木の枝を管にするために、赤く焼いた細い枝を押しつけ、焦げたところをけずるという作業をくりかえしたそうです。そんなですからどうしてもフルートの肉厚は厚く、全体として重くなっただろうと想像します。
重いフルートを普通のリコーダーのように下にむけて構えると、演奏しているうちに滑って落としてしまいそうになります。だからインディアンはフルートを高く両手の親指でささえるように構えて吹くようになったのではないでしょうか。
実はうちにも一本、クルミの木でできた大きな重いフルートがあって、これがまた蜜蝋でていねいに仕上げてあったりして、演奏中にするする滑り落ちるのです。以前は滑り止めの輪ゴムをまいたり、演奏前にぬれタオルでフルートを湿らせたりしていました。
両手の親指でささえるように保持するようにしてからは、快適に演奏しています。
笛の指穴はふつう指先(爪の裏側、指紋のある部分)で押さえます。
しかし大きな笛になると指穴を押さえることができない人も出てきます。どうしても大きな低音の笛を吹いてみたい、そんな場合はどうすればいいでしょうか。
インディアンフルートにかぎらず一般的な話として、大きな笛を吹くときには写真のように指をまっすぐ伸ばして、指の関節と関節の間で指穴を押さえます。これは世界中の笛でそのようにします。ムリに指先で指穴を押さえるよりも本当はこちらの方がよいです。疲れないし速く動かせるし。
ためしに構えてみると、不自然な力が入らないので指は楽です。ぱたぱたと軽く動きますし。でもなんとも指の感触が気持ち悪い、もどかしい感じがします。どのくらいで違和感がなくなるでしょうか…
インディアンフルートの唇の当て方、といっても難しいことは何もないです。唇を普通にとじて吹口にぴたっと当てるだけでよいです。インディアンフルートは小学校の縦笛と同じで、吹けば鳴るものですから。このへんは適当で大丈夫です。
「火吹き竹」って言ってわかるでしょうか。キャンプなんかで火を起こすときに使う竹筒なんですが。それを吹くのと同じ要領なんですが。
なお、インディアンフルートによっては吹口が細くなっているものがあります。ほんとうに細い吹口であればいっそカプッとくわえてしまえばいいのですが。細いけれどくわえるには太すぎるような…という微妙な細さの吹口だったりします。
このサイトで教えているインディアンフルートの吹き方では、唇で音を区切ることをします。できれば吹口をくわえるよりは、唇を当てるやり方をお勧めします。
写真のフルートの吹口くらいであれば、くわえるよりは唇を当てる方が楽です。